日本俳優連合 オフィシャルウェブサイト

Japan Actors Union

MONDAY 19 SEPTEMBER 2016

約 6 分
MONDAY 19 SEPTEMBER 2016

13:00 新宿西口。

リムジンバス乗り場着。予約した13:30発の成田行きバスの料金を支払う。受付が65歳以上は1000円割引だという。喜んで甘える。ほどなくコーディネーター中山さんが現れ乗車。時々雨、暗い雲が垂れ込める中、成田に向かう。

今回の出張は、国際俳優連合Federation of International Actors=通称FIA)の理事会・大会に出席し、日本の俳優たちの経済的・地位的向上のために、この世界組織の力を借りるという、大きな使命を果たすためだ。FIAは、世界60か国以上の90近い俳優団体が加盟する団体であり、世界を代表する俳優団体として2012年のWIPO視聴覚実演条約(北京条約)採択に大きな力を発揮した。
オリンピック報道で日本でも知られているが、犯罪発生率が極めて高い、「危険地帯」と言われているブラジルへ。パラリンピック終了直後、丸裸で旅立つような気がする。

この記録は、国際俳優連合の会議というものが、どのように行われているのかをお伝えし、組合員が、今後海外で行われる会議に出席したり、日本で理事国開催等をすることになった場合の参考にして欲しいと思って書いていこうと思う。

協同組合日本俳優連合は、40年も前からFIAの活動に参加している。FIAには、一国2~3団体所属している国もあるようだが、活動分野が同じである団体が重複して加盟することには制限があるという。そして、加盟団体は職能ギルド、労働組合である。外国では労働組合が元気なのだ。日本の労働組合はほとんどが企業内組合で、御用組合と言われることもあり、組織率の低下が問題となっている。しかし、アメリカには16万人の会員を抱えるクローズド・ショップの強力なユニオンSAG-AFTRA(映画俳優組合とテレビ・ラジオ俳優組合が合併した。)がある。

FIAは、世界的な労働組合の連合UNIのメンバーだ。そして、FIAは、国連の下部機関であるWIPO(世界知的所有権機関)、ILO(国際労働機関)、UNESCO(国連教育科学文化機構)と活動を常に共にしている。毎年、どこかの加盟国の団体がホストになり、理事会が開かれており、4年に1回は世界大会になる。今回は、ブラジル・サンパウロで理事会と共に第21回世界大会が開催されるのだ。

書類には注意書が満載!

ブラジルは、治安が心配だと言われている。FIAから、大会関連の160ページの書類が送られてきたが、そのうち10ページは、犯罪被害者にならないための注意書きだった。「目立たないように!」、「ジーンズに運動靴というような目立たない姿で現地に溶け込むように!」、「外国語で大声を出さないように!」等と、注意書きが並んでいた。先が恐ろしい。

同行の中山夏織さんは、元芸団協職員でイギリスに留学。ヨーロッパを中心に爾来、演劇の研究を行い、現在、日本でいくつかの大学講師を行うとともに、自らパフォーミングアーツのNPOを主宰している。日俳連は、彼女の識見と語学力に頼り、かつ、極めて安い報酬で、外国団体との交流コーディネートを20数年来お願いしているのだ。過去の日俳連専務理事で語学能力が優れていたのは、二谷英明氏だけで、後は中山さんのお世話になっている。

15:15 成田着。

出国準備。日航で約13時間かけてニューヨークまで行き、3時間30分の乗継時間の後、日航提携のTAM航空で、サンパウロへ約11時間フライトの予定だ。
荷物を預け、保険をかける。70歳以上の人は、海外旅行保険の限度が5,000ドルだという。これはサービスなのか、残りの命の値段なのかは分からない。
両替を行う。ブラジル通貨はレアルだが、換金率が悪いレアルよりも、ドルをもっていけば現地で両替が簡単にできるというので、レアルはわずかにしてドルを持っていくことにした。国際通貨は矢張りドルなのだ。

レアル紙幣

ドルの価格変動が世界的に影響する所以だなと思う。200レアル(両替時は1レアル38円だった。)以上は持ち歩かないようにと、FIAの注意書きにあった。

いつのころからか「エコノミー症候群」と騒がれるようになった。コーディネーターの中山さんが日航の女子職員と激しくやりあって、アイルシート(通路側席)を取ってくれたが、普通の人には航空会社の不備を突いた激しい座席の変更交渉はできないだろう。中央6人席の真ん中に閉じ込められたら悲劇だ。長いフライト中にトイレにでも行きたくなったら、跨いで通路まで出るのは容易ではない。日航職員とのやり取りを見ていて、中山さんはもう外国人になっているのかもしれないなと思った。さあ、これでいつでも立って体を延ばし、トイレにも行ける。ありがとう、中山さん。エコノミー・クラスでの先が長い旅だ。 

18:30 離陸。

食事をして、皆、就寝体制に入るが、横になれないのは辛い。TVで、西田理事長の「釣りバカ日誌」を観る。こんな窮屈な時にもそれを忘れさせ楽しませてくれる西田さんありがとう。続いてTV番組「仁」をたて続けに見る。まだ、眠られない。朝になり、吉野家の牛丼が出てきた。流石、日航。そういえば、天丼もたべたな。あれは晩御飯だったのか???途中寝ていたのかな?時間の感覚がおかしくなっているようだ。シートベルトを締め、食事や飲み物を与えられていては、日ごろジムで鍛え、漸く効果が出てきたのに、またメタボに逆戻りしてしまうだろう。それにしても、50年くらい前、初めて機内食を食べたときは、立派なステーキが出てきたぞ!機内食は随分庶民的になったものだ。

やっと、NYのJFK空港着陸。

曇っている。自動小銃を持った警官が立っている。いくつかのゲートを通り、乗り継ぎロビーに入る。満員だ。アメリカ人以外の行列の最後尾につく。中々前に進まない。従順に立ったまま延々待たされ、出発時間が心配になってきたころ、TAM航空へ乗り継ぐ者は申し出ろという。手を挙げるとチケットを点検して、沢山の人を飛ばしてゲートに案内してくれた。そこで右手・左手10指の指紋を取られ、顔写真を撮影された。なぁるほど、これでは時間がかかるわけだ。荷物検査がまた厳しい。靴を脱いで、両手を挙げてぐるっと一回りして金属探知を受けている。ところが係官が私に、「歳は幾つ」と聞くので「セブンティスリー」と答えると、金属探知機も通らせず、すんなりパス。れれ!そうか・・・。自分は世界を顔パスで通過できる無害の老人なんだと自覚させられた。

ブラジリアに行くという二人の若い日本人の格闘技選手が荷物検査で留められた。だが、持っていたのが「塩」と分かり解放された。私たちのサンパウロ行きより10分早く出るという飛行機に向かって、彼らは手を振りながら走っていった。束の間の出会いだったが、気持ちのいい若者たちだった!乗り継ぎの3時間30分が丸々手続きにかかってしまったが、何とか乗継便に搭乗できた。

さて、今度のTAM航空の客室乗務員は、すべてブラジル人だ。大らかそうで親しみを感じさせる女性たちだ。英語は得意ではない、もろポルトガル語で語りかけてくる。それでも食事と飲み物は何とか注文できた。ビールはハイネケン。ウイスキーは、バランタイン。飲んで寝るしかないと思って、飲む、また続けて飲む。それでも、眠くならない。成田出発から2~3時間しか寝ていないだろう・・・。