私たちは、インボイス制度の施行ストップを要望します。
協同組合 日本俳優連合
理 事 長 西田 敏行
担当理事 池水 通洋
弊連合は、本年7月4日、インボイス制度の施行延期を関係各省庁にお願い致しました。
その理由は、円安物価高の中で施行されようとしているインボイス制度が低所得者層に大きな経済的打撃と事務的負担を課すことになるからです。物価高、ウクライナでの戦争の終わりは見えず、長引く収入減・物価高はただでさえ苦しい低所得層を、ますます苦しめることになります。
また、弊連合は、組合員らが出演した映像作品の二次使用に関する使用料を徴収し出演者に分配する作業を毎年行っていますが、分配対象作品の数が膨大であり、対象者は毎年延べ数万人に及びます。これらの方々を課税事業者・免税事業者に峻別するには、新たな費用と可成りの時間が必要となり、弊連合の従来の作業期間では対応が不可能です。税務署に対応の仕方を相談しましたが、回答を頂くには1か月かかるという事でした。多様な取引ケースに出先機関ですぐに対応できる周知はされていないようです。税務署の回答を待ち対象者等に周知し手続きを済ませるには、時間がなさすぎます。
更に、前回の弊連合の声明の折、インボイスの課税事業者検索サイトで芸名により課税事業者番号を検索すると本名まで分かってしまうことの改善をお願い致しました。
去る9月22日、国会議員の仲立ちで国税庁、財務省の方々と面談する機会を得、芸能人、文筆家、スポーツ選手等、屋号を用いる職業の者の本名まで検索サイトから分かってしまうことは、これらの人々の身の危険をも伴うことをご理解いただき、システムの改修を約束して頂きました。
システム改修後調べてみると、データのダウンロードが可能であり、ダウンロードデータから本名等の個人情報が未だに判明してしまうことが分かりました。現在のシステムでは有名人の本名を知りたい方が本名までたどり着くことは簡単です。私たちが望むのは、屋号から登録番号は検索できるが、本名は検索者には分からないシステムが必要なのであり、現在のシステムでは不十分です。
以上述べましたことから、インボイス制度を施行出来る状態ではないことがお分かりいただけるのではないでしょうか。弊連合は、2023年10月に予定されているインボイス制度の施行をストップし、年収1000万円以下の免税制度を現状のまま、継続して下さるようお願い致します。