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Japan Actors Union

「インボイス制度」適格請求書発行事業者の登録期限が2023年9月30日まで延期された件についてのお願い

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協同組合日本俳優連合(日俳連)は、一般社団法人日本芸能マネージメント事業者協会(マネ協)と一般社団法人日本声優事業社協議会(声事協)に対し、2023年3月1日付で以下のようなお願いを提出いたしました。

世情慌ただしく、心穏やかではいられない昨今でございます。
国会でも取り沙汰されている「インボイス制度」の現状についてご報告申し上げます。

インボイス制度が俳優たちに及ぼす影響は大きく、制度の延期・廃止を求める俳優たちが集まり、独自に運動を進めているグループが出来ております。

日本俳優連合が2022年8月に行ったアンケートによれば俳優の93%が年収1000万円以下であり、制度の実施により最大10%の減収につながることは極めて切実な問題です。

加えて、適格請求書発行事業者登録(以下、課税者登録)をしなければ発注元の放送局などが免税事業者への支払いは仕入れ税額控除が出来ないため、免税事業者に仕事を出さないのではないかという不安もあることから、俳優たちは課税者登録を迫られた形になっています。

ところが、課税者登録期限は2023年3月31日までとなっておりましたが、制度導入に賛同できない人々の活動もあり登録が進まず、9月30日まで登録期限が延期されました。

この延期が、国税庁から十分にPRされていないため、俳優たちの所属事務所は俳優たちに早く登録番号を知らせるよう促しているようですが、9月30日までに個人が登録すれば国税庁は対応すると明言しております。

その間に、俳優を含む低所得層に有利な制度の変更を迫っていきたいのが多くの俳優たちの希望です。事務所としては一度に大量の事務処理を抱えることを恐れていらっしゃるのでしょうが、登録がギリギリになってもされてさえいれば大丈夫ですので、慌てて課税者登録を促す必要はありません。ご承知下さい。

また、日本俳優連合は、俳優たちの出演した外画動画関係の使用料、カラオケ背景映像の使用料等を出演者に分配する事業を行っていますが、制度の施行により大変なデータ処理が発生しています。

国税庁・公正取引委員会と分配作業に従来と比べて時間とお金のかからない適切な事務の処理方法を考えてくださるよう相談していますが、未だに回答が得られていません。

放送局が支払っている著作隣接権関係の使用料に関しても、満額の仕入れ税額控除が出来るわけがないことを国税に申し上げ、制度の再考をお願いしております。

どうか、インボイス制度が多くの俳優たちにとって困る制度であることをご理解賜り、ごゆるりとご対応くださいますようお願い申し上げます。

協同組合日本俳優連合 専務理事 池水通洋